犬島
瀬戸内海に浮かぶ犬島は、アートの島として有名です。銅の精錬所の跡地に建てられた犬島精錬所美術館や、住宅街にアート作品が点在する家プロジェクトは見ものです。
今回は7月の暑い日に、豊島の家浦港から向かいました。
午前中は豊島の観光を楽しんでから、12:40家浦発→13:05犬島着の船に乗りました。乗客は少ないので、船のサイズは小さめです。犬島の港の近くには、黒いモダンな建物があります。ここがチケットセンターです。チケットを買わなくても犬島を散策できますが、犬島精錬所美術館に入れなかったり、家プロジェクトの一部は見れなかったりするので、チケットを買うことをお勧めします。大人2100円です。
チケットを購入したら、まずは精錬美術館に向かいました。広い芝生の先に煙突が見えます。300mぐらい歩くと入口に着きました。茶色くさびた看板が雰囲気あります。
ここは昔、実際の銅の精錬所でした。銅の精錬過程で発生する廃棄物からカラミ煉瓦というものが作られるのですが、その煉瓦で建てられた建築物が保存されています。入口を入ると、焦げ茶色の煉瓦が積み上げられ、古代神殿のような雰囲気です。
煉瓦の建築物を抜けた先に、美術館の入り口があります。残念ながら写真撮影NGでした。精錬作業を思わせる灼熱の炎の塊や、当時の日常品を連想させるモノが宙に浮いた作品など、思わず見入ってしまいました。(再入館可能なので、二回行きました。)
美術館を出ると、精錬所の遺跡を間近で見られます。階段を上った先に、煉瓦で作られた煙突が何本も見えました。ツタに覆われて、ジブリのラピュタのようです。
さらに上に登ってきましょう。高いところまで石階段が続き、RPGみたいでワクワクします。
高いところから見下ろしてみましょう。積み上げられたカラミ煉瓦が、迷路のように入り組んだ建築になっています。
トンネルのような空間もあります。穴の先は小部屋がたくさんあって、遠くには煙突が見えます。
さっきまで特に見えていた煙突が近づいてきました。片側はぼろぼろに崩れていて、風が吹いたら倒れそうです。実際、危険なので近づくことは禁止されています。遠くには瀬戸内の海が見えます。
さらに奥には、ひと際高い煙突が見えます。もともと発電所だったらしいのですが、今ではツタに覆われてしまっています。
これで一通り犬島精錬所を歩いて回りました。結構な距離で、美術館も併せて1時間ほど歩きましたが、あっという間でした。引き続き、家プロジェクトを見に行きます。
犬島の家プロジェクトでは、住宅地に数多くのアート作品が展示されています。狭い範囲に密集しているので、40分ほどあれば全部鑑賞できます。それぞれ紹介していきます。
木造の古民家の中に、白いもこもこのオブジェが展示されています。生命のエネルギーを感じる造形です。残念ながら写真撮影不可でした。
民家に囲まれた空間に、石を敷き詰め独特のペイントを施したアート作品があります。見る位置によって、様々に姿を変えます。
⑤S邸
細い路地に沿って、横に長い展示が設置されています。大小さまざまなサイズのレンズが敷き詰められ、レンズの中には反対側の世界が映り込んでいて、幻想的な空間です。
⑥A邸
広い空き地に、ど派手な柄の円形の作品があります。内部にも入ることができるのですが、中心から見ると柄が見えなくなるように設計された不思議な作品です。
⑧C邸
昔は集会所だった家屋の中に、人間大のカラフルな花のオブジェが展示されています。渋い木造の壁に、華やかな色が良く映えます。写真撮影不可でした。
⑨I邸
外観は草木に囲まれた小屋ですが、中には三つの鏡と輪っかが設置されています。三つの鏡の配置が絶妙で、輪っかから除くと、合わせ鏡のように無限に自分の姿が映り込みます。
犬島家プロジェクトは以上です。
この他にも、島内にはアート作品が点在しているので紹介しておきます。
港近くの海岸沿いの地面には、白い絵が描かれています。
家から大きな犬が突き出したような作品です。犬島ハウスプロジェクトという企画で製作されたもので、実はたくさんの陶板を張り付けて作られています。
港から20分ほど歩いたところに、犬島暮らしの植物園があります。放任的な植物園で、鶏が放し飼いされています。
狭い島内なので、2時間ほどで十分堪能できました。15:47分発豊島行の船で帰りました。
豊島に興味のある方はこちらを見てください。